V6: 一般演題 園原 和樹 (桔梗ケ原病院) 他

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  • コメント (4)

    • 偕行会リハビリテーション病院 作業療法士 猪飼大二郎
    • 2021年 12月 06日

    シミュレーターを使用した運転リハビリテーションを導入されておりとても興味深い発表であり、とても勉強になりました。

    運転リハビリテーションを実施する事で、運転操作やメタ認知(病識等)などどのような機能改善を目的として実施されているのでしょうか?また、実施されたことによる、高次脳機能面(本症例では注意機能)の改善はされたのでしょうか?また、ランダムソフト実施群と以前実施されいた群との高次脳機能・シミュレーターの結果に差は生じていたのでしょうか?

    ご指導の程よろしくお願いします。

    • 初台リハビリテーション病院 作業療法士 森中勇帆
    • 2021年 12月 06日

    シミュレーターを使用した運転評価、大変参考になりました。

    当院でもHondaセーフティナビを使用しています。
    評価の際に、まず総合学習体験+反応検査を行い、評価後に訓練として活用されていますか?

    また、反応検査を最初に分けている理由がもしあれば教えて頂ければ幸いです。

    ご指導のほど宜しくお願い致します。

    • 園原和樹
    • 2021年 12月 07日

     偕行会リハビリテーション病院猪飼大二郎様、ご質問いただきましてありがとうございました。以下、質問に回答させていただきます。

    >運転操作やメタ認知(病識等)などどのような機能改善を目的として実施されているのでしょうか?
     当院では運転リハビリテションの訓練コースとして「運転反応検査,ランダムソフト(以前は危険予測体験1~6)」を使用しています。運転反応検査は運転操作を整える基礎課題であり、運転リハビリテーションの中心は市街地走行(ランダムソフト)であると考えております。
     現在の日本における運転リハビリテーションは、訓練方法や指導方法が確立していないのが現状となります。過去の学会報告でドライブシミュレーターを用いた運転リハビリテーションの発表をしてきましたが、他医療機関から訓練繰り返しによる誤学習についての質問が多く、ランダムソフトを開発いたしました。
     以下は当院における運転支援チームの話し合いに基づく基準となりますが、当院ではランダムソフトによる運転リハビリテーションにより「目視,危険予測,徐行と一次停止」の運転指導を行っており,運転習慣の改善が目的となります。

    >実施されたことによる、高次脳機能面(本症例では注意機能)の改善はされたのでしょうか?
     今回の発表では割愛されましたが、当院における運転リハビリテーションは「患者の回復段階に基づいた段階的運転リハビリテーションプログラム」となります。プログラムは(1)身体機能の改善,(2)高次脳機能障害の改善,(3)運転能力の改善で構成され、(1)→(2)→(3)と進みます。よって、転院後のリハビリ開始直後にドライブシミュレーターは実施されず、また、高次脳機能障害の高度の患者様にはドライブシミュレーター実施せず机上課題を中心としたリハビリ訓練が施行されています。
     当院におけるドライブシミュレーターによる運転能力の改善を目的として運転リハビリテーション開始時は、高次脳機能障害はある程度改善された状態で訓練開始となります。運転リハビリテーション終了時は神経心理学的検査で高次脳機能障害の改善を認める症例が多いです。なお、本症例では注意障害の改善を認め、運転再開時は情報処理速度の低下を軽度認めるのみに改善しております。

    >また、ランダムソフト実施群と以前実施されいた群との高次脳機能・シミュレーターの結果に差は生じていたのでしょうか?
     当院では2016年にホンダセーフティナビを導入し、2017年よりドライブシミュレーターを用いた運転リハビリテーションを開始しました。その中で「患者の回復段階に基づいた段階的運転リハビリテーションプログラム」,「ランダムソフト」が開発されており、時間とともに院内の運転リハビリテーションのプログラムが変更されており、残念ながら以前の対照群(ランダムソフトなし群)との比較は困難です。
     どちらかというと、ランダムソフトは病院内において運転リハビリテーションを簡易に実施するツールであると考えております。

    (注)桔梗ケ原病院の運転支援ホームページに過去学会のスライド,一部研修会動画アーカイブが記載されております。「運転リハビリテーションの効果」,「患者の回復段階に基づいた段階的運転リハビリテーションプログラム」,「ランダムソフト」につきましては、もう少し詳しい内容が記載されておりますので参考にしていただけると幸いです。

    • 園原和樹
    • 2021年 12月 07日

     初台リハビリテーション病院森中勇帆様、ご質問いただきましてありがとうございました。以下、質問に回答させていただきます。

    >評価の際に、まず総合学習体験+反応検査を行い、評価後に訓練として活用されていますか?
     はい、その通りです。当院では「患者の回復段階に基づいた段階的運転リハビリテーション」を実施しております。運転リハビリテーションの提供前に初回評価として総合学習体験2,運転反応検査4項目を実施し、運転リハビリテーションのプログラム(ランダムソフトはどの段階から行うか?,運転反応検査は何を使って訓練するか?)を決定してます。

    >反応検査を最初に分けている理由がもしあれば教えて頂ければ幸いです。
     当院では運転リハビリテションの訓練コースとして「運転反応検査,ランダムソフト(以前は危険予測体験1~6)」を使用しています。運転反応検査は患者の運転能力を鍛える基礎課題であり、当院では大概「ハンドル操作+1項目(単純反応,選択反応,注意配分複雑作業のいずれか)」を使用しております。
     本症例の初回評価では単純反応は問題なさそうでしたので、選択反応(とハンドル操作)にて運転リハビリテーションを開始し、選択反応の改善とともに注意配分複雑作業(とハンドル操作)に変更しています。

     臨床の現場では「単純反応,選択反応,注意配分複雑作業の結果から、患者様にとこまで運転能力がある」というように対比することが困難です(例えは選択反応がC以上ならばブレーキ操作ができて,注意配分複雑作業がC以上でアクセルブレーキ踏み間違えが発生しない…とは言えません)。
     よって当院では運転反応検査を運転リハビリテーションのための訓練機器と考えて、難易度を設定して使用しています。(容易)単純反応,(普通)選択反応,,(難)注意配分複雑作業であり、最終的にハンドル操作と注意配分複雑作業でC以上となるように訓練を行っています。

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