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コメント (7)
水原自動車学校の岩城と申します。 私も、メタ認知の観点から、自己のモニタリング能力は重要であると思います。 Cさんについて、DEXでは乖離が見られないものの、DSでは乖離が見られたという点について勉強になりました(神経心理学的検査よりも運転に近いDSで評価尺度を開発しようとする試みは面白いと感じました)。
今回の予備調査では、8項目を5段階(40点満点)で自己評価と他者評価をしています。 その結果、Cさんについて、自己評価28点、他者評価14点とのことでした。 8項目の乖離について、平均的に乖離していたのか、それとも乖離には何か特徴があったのか教えていただくことは可能でしょうか。
水原自動車学校 岩城さま
ご視聴,ご質問ありがとうございます. Cさんの自己評価と他社評価の乖離につきまして, その内容については平均的に乖離を認めていたという結果となっています. 例えば, ・事故回数やヒヤリ・ハットを複数回していたことに気づいていない. ・ウインカー忘れや一時不停止の場面を気づいていない ・現状での運転再開に自信があり,上手くDSを操作できていると感じている などの状況を質問紙表で確認することができました.
このようなツールを用いることで,より明確に運転に対するメタ認知の部分を 評価できると考えております. もともとはオーストラリアの実車評価で使用していたものを改変して作成したので DSや実車評価でのメタ認知の評価バッテリーの活用には有用性があると考えております. 今後ともどうぞよろしくお願い致します.
岩井様
水原自動車学校の岩城です。 丁寧に回答していただきありがとうございました。 個人的には、平均的な乖離ではなく、「事故の回数」「運転への自信」「合図」のあたりで大きく乖離していることを予想していたので意外な結果でした。
今後とも宜しくお願い致します。
東京都リハビリテーション病院の武原と申します。 貴重なご発表ありがとうございます。 大変勉強になりました。
自己認識の重要性は当院でも大変感じております。 ①今回の運転可否をおこなった3人の患者の方の判断基準を教えて頂けますか?ドライビングシミュレーターの結果不良でCさんが運転不可となったのだろうと推察されますが、AさんはTMT-JのA, Bとも異常と判断されておりますが、その点は考慮せずにドライビングシミュレーターの結果で判断となったのでしょうか? 神経心理学的検査の貴院での位置づけはどのようになっているのかご教授お願いいたします。
②また、Cさんの病識DEXは自己・他者とも0と乖離は無く、ドライビングシミュレーターの自己評価尺度の自己・他者の乖離との関係は、どのように解釈するのが良いのかご教授のほどお願いいたします。
東京都リハビリテーション病院 武原 先生
ご視聴,ご質問くださりありがとうございます.
①結果に記載している3名の方の診断(運転可否)については, 医師の診察,神経心理学的検査,DS,実車評価の結果を含めて総合的に評価し,当院の医師が包括的判定をした結果となります. そのため,AさんにおいてはTMTでは処理速度の低下をみとめたものの, DSや実車評価において速度を落として安全確認をするなどの代償手段をとることができていたため, 最終的な判定として「運転を控えるべきとは言えない」と判定し,運転再開に至ったと推察されます.
神経心理学的検査の位置づけとしましては,過去の先行研究や,貴院で報告されている暫定基準値を参考値としておりますが, 絶対的な基準値(ex.カットオフを○個下回ると不合格など)としては運用しておらず,その他の院内評価,実車評価の結果も 加味して最終的可否判定を実施しております.
②DEXと自己認識評価表の違いにつきましては2点あります. 1.DEXは「日常生活における問題」を評価し,DS自己認識評価表は「模擬運転場面における問題」を評価している. →日常生活より質・量に負荷がかかる運転場面においては,より鋭敏に自己評価と他者評価の乖離を認めたのではないかと考えております. 2.DEXは第三者評価を家族に依頼している. DSの自己認識評価表は他者評価をOTが実施している. →第三者評価の違いによる検者間信頼性の問題が課題として残存していると考えます. 今後の課題としてはDEXと自己認識評価表との関連性や,基準間妥当性の検証などを実施する必要があると考えています.
研究の進め方などにつきましてご指導いただけたら幸いです. 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します.
岩井慶士郎
DEXについては日常生活における問題を自己と第三者(家族)が認識しているかどうかを評価しました. Cさんにおいては,DEXにおいては「まったく問題ない」と自己・家族ともに回答されておりました. しかし,DS場面においては危険場面に気づかない,事故やヒヤリ・ハット場面などがある一方で 「自分は運転できる」など過大評価する傾向が観察されておりました. 日常生活以上の高次脳機能がもとめられる運転場面では,より顕著に 自己認識評価表においても得点の乖離という部分で顕著に現れたのではないかと解釈しております.
最終行の6行につきましては,下書きをそのまま送信してしまいました. 大変申し訳ございません.
早速のお返事また丁寧な回答ありがとうございました。
運転に自信を持たれている方は脳損傷者も高齢者も多く、医療者の指摘を受け入れないなど大変だなと日々感じますので、このような客観的評価で運転に関するフィードバックを受け入れてくれるようになると良いなと思いました。
ありがとうございました。
武原 格
水原自動車学校の岩城と申します。
私も、メタ認知の観点から、自己のモニタリング能力は重要であると思います。
Cさんについて、DEXでは乖離が見られないものの、DSでは乖離が見られたという点について勉強になりました(神経心理学的検査よりも運転に近いDSで評価尺度を開発しようとする試みは面白いと感じました)。
今回の予備調査では、8項目を5段階(40点満点)で自己評価と他者評価をしています。
その結果、Cさんについて、自己評価28点、他者評価14点とのことでした。
8項目の乖離について、平均的に乖離していたのか、それとも乖離には何か特徴があったのか教えていただくことは可能でしょうか。
水原自動車学校
岩城さま
ご視聴,ご質問ありがとうございます.
Cさんの自己評価と他社評価の乖離につきまして,
その内容については平均的に乖離を認めていたという結果となっています.
例えば,
・事故回数やヒヤリ・ハットを複数回していたことに気づいていない.
・ウインカー忘れや一時不停止の場面を気づいていない
・現状での運転再開に自信があり,上手くDSを操作できていると感じている
などの状況を質問紙表で確認することができました.
このようなツールを用いることで,より明確に運転に対するメタ認知の部分を
評価できると考えております.
もともとはオーストラリアの実車評価で使用していたものを改変して作成したので
DSや実車評価でのメタ認知の評価バッテリーの活用には有用性があると考えております.
今後ともどうぞよろしくお願い致します.
岩井様
水原自動車学校の岩城です。
丁寧に回答していただきありがとうございました。
個人的には、平均的な乖離ではなく、「事故の回数」「運転への自信」「合図」のあたりで大きく乖離していることを予想していたので意外な結果でした。
今後とも宜しくお願い致します。
東京都リハビリテーション病院の武原と申します。
貴重なご発表ありがとうございます。
大変勉強になりました。
自己認識の重要性は当院でも大変感じております。
①今回の運転可否をおこなった3人の患者の方の判断基準を教えて頂けますか?ドライビングシミュレーターの結果不良でCさんが運転不可となったのだろうと推察されますが、AさんはTMT-JのA, Bとも異常と判断されておりますが、その点は考慮せずにドライビングシミュレーターの結果で判断となったのでしょうか?
神経心理学的検査の貴院での位置づけはどのようになっているのかご教授お願いいたします。
②また、Cさんの病識DEXは自己・他者とも0と乖離は無く、ドライビングシミュレーターの自己評価尺度の自己・他者の乖離との関係は、どのように解釈するのが良いのかご教授のほどお願いいたします。
東京都リハビリテーション病院
武原 先生
ご視聴,ご質問くださりありがとうございます.
①結果に記載している3名の方の診断(運転可否)については,
医師の診察,神経心理学的検査,DS,実車評価の結果を含めて総合的に評価し,当院の医師が包括的判定をした結果となります.
そのため,AさんにおいてはTMTでは処理速度の低下をみとめたものの,
DSや実車評価において速度を落として安全確認をするなどの代償手段をとることができていたため,
最終的な判定として「運転を控えるべきとは言えない」と判定し,運転再開に至ったと推察されます.
神経心理学的検査の位置づけとしましては,過去の先行研究や,貴院で報告されている暫定基準値を参考値としておりますが,
絶対的な基準値(ex.カットオフを○個下回ると不合格など)としては運用しておらず,その他の院内評価,実車評価の結果も
加味して最終的可否判定を実施しております.
②DEXと自己認識評価表の違いにつきましては2点あります.
1.DEXは「日常生活における問題」を評価し,DS自己認識評価表は「模擬運転場面における問題」を評価している.
→日常生活より質・量に負荷がかかる運転場面においては,より鋭敏に自己評価と他者評価の乖離を認めたのではないかと考えております.
2.DEXは第三者評価を家族に依頼している. DSの自己認識評価表は他者評価をOTが実施している.
→第三者評価の違いによる検者間信頼性の問題が課題として残存していると考えます.
今後の課題としてはDEXと自己認識評価表との関連性や,基準間妥当性の検証などを実施する必要があると考えています.
研究の進め方などにつきましてご指導いただけたら幸いです.
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します.
岩井慶士郎
DEXについては日常生活における問題を自己と第三者(家族)が認識しているかどうかを評価しました.
Cさんにおいては,DEXにおいては「まったく問題ない」と自己・家族ともに回答されておりました.
しかし,DS場面においては危険場面に気づかない,事故やヒヤリ・ハット場面などがある一方で
「自分は運転できる」など過大評価する傾向が観察されておりました.
日常生活以上の高次脳機能がもとめられる運転場面では,より顕著に
自己認識評価表においても得点の乖離という部分で顕著に現れたのではないかと解釈しております.
最終行の6行につきましては,下書きをそのまま送信してしまいました.
大変申し訳ございません.
岩井様
早速のお返事また丁寧な回答ありがとうございました。
運転に自信を持たれている方は脳損傷者も高齢者も多く、医療者の指摘を受け入れないなど大変だなと日々感じますので、このような客観的評価で運転に関するフィードバックを受け入れてくれるようになると良いなと思いました。
ありがとうございました。
武原 格